「中清」だね。あそこはほら、、まめ蔵のミナミ(南椌椌氏)がよく行ってるから、あいつが清水昶(詩人)としょっちゅう呑んでて、僕が行くといるんだよ、あのふたりが。それで散々ね、「そこの青年実業家、お前お金のことばっかり考えてんなよ」と、あいつと、高田渡(フォーク歌手)にしょっちゅう言われてたんだよ。笑)

そば屋のカツ丼というのは、タレにこだわってみたり、なんともいえず、、うらぶれてるんじゃないの少し? うらぶれてるところがいいんじゃない。メインでガーンととんかつ屋のカツ丼ってことじゃないから。

僕はトンカツはすごい好きですよ。うちのカツサンドはけっこう気合入れているんですよ。「岩手佐助豚」っていうけっこういい豚を使っているのと、パンがですね、これが紀ノ国屋のイギリスパンしかダメなんですよ、作ろうと思ったらできない。だからいい素材で頑張ってるから美味しくできる。あんまり揚げ過ぎないことですね。

中清ってほら、日本の文化の、文学者、フォークシンガー、それからまめ蔵のミナミさんとかがたまってるところだから、本当にサブカルの何かが残ってる唯一のところじゃないかと思いますね。近いうちだからミナミさんと一緒に食べに行きますよ、カツ丼。

何十年前だろうね笑、、40年ぐらい前だと思いますよ。行くなかで、清水昶が呑んでんだなとか、高田渡、ミナミさんとも会い、っていう感じですかね。完全に清水昶はアル中だったからね。高田渡もアル中でしょ。人のことあんまり言えないけど。

しょっちゅう行くわけじゃない。誰かと一緒に食べる。

そばとあそこは日本酒がいいじゃない、ね。そばと日本酒ですよ。

「やぶ浅」。僕個人的にはカリッカリっとしてる感じが、そば屋さんのっていいな、って。重要ですね。やぶ浅のはカリッカリっとしてる感じがあって好きですね。

普通のトンカツ屋のと違って、分厚いのじゃなくて薄くてカリッとしてて。おそばとセットで食べられるっていうところがいい。そばとカツ丼のセットか、もうなんだったらカツ丼とそば(別注)で頼むとか、もう絶対にそのコンビで。そもそもは、高校生のときに、千葉のショッピングセンター、、っていってもほんとに団地のショッピングセンターにあったそば屋さんで食べたカツ丼セットが忘れられなくて。僕が酒屋で働いて、そば屋さんがあって、そこでよく昼飯で食べたカツ丼セット。カリッとしてて、薄くて、タレは甘くて。千円ぐらいしたのかな、大盛りにしちゃう必ず。

やっぱり大好きな卵でとじてあって、それをかきこめるところですよね。三つ葉とたまねぎもいい。あとは、野菜がない背徳感。とんかつ定食だと、どっちもカロリー高いんだけど、こっちの方がヘルシーなんじゃねえかなと。ちょっとした背徳感ですよね。

やはり当時のショッピングセンターの味を感じるところですかね。

そば屋でカツ丼食べるのがやっぱり楽しみで、やぶ浅さんで食べたら昔のあの思い出を思い出させてくれて、「キター!」っていうのを味わったんです、本当に。ワラガモに来て出会って3年、通いました。

3ヶ月に1回ぐらい。少ないですね。でも行ったら絶対カツ丼セット一択、そば大盛りで。

他の人たちは玄人だからそば屋呑みしてて、地元の人には「やぶ浅で呑むっていう技知らねえの?」って言われるんですよ。そういう意味ではカツ煮、板わさかな。