

門外不出のレシピを公開した
地元の名店、中清。
鰹節卸からそば屋にシフトし、
見えてきた四代目の苦悩とは。
街の変化とかわらないお店
今年で99年。来年で100周年を迎えます。(取材当時2022年)今は4代目で、創業は大正時代になります。当時は渋谷の方で、鰹節をやっていました。その後何年か経って吉祥寺に来て、そば屋に変わりました。90年近くも同じ場所でやっています。その頃の吉祥寺駅はプレハブとかで、サンロードなどもない時代から規模も変わらずに続けています。


親父のひと声で
そばもつゆもガラッと変わった
はじめはそばに限らず、出前など街の定食屋と言う感じでした。今と比べると全く別物という感じがします。その中で、いろんなものじゃなくて、そばかどうかはわからないが、これからはメニューを絞っていこうという話が進んでいました。そんなときに、親父(3代目)が「このご時世、普通の定食屋だと辛いんじゃないか、いっそのことそば屋としてちゃんとやろう」と。その時にそばもそばつゆもガラッと変わりました。
触れることはできても口にできない
3代目の苦悩とは
カツ丼は昔からメニューにあります。そば屋のカツ丼は定番だと思います。街の蕎麦屋さんは、丼もあれば、そば・うどん、定食なども出すことが多かったです。その中でもカツ丼は人気メニュー。天丼の次に大変。丼ものでは一番出ますね。男女関わらず注文される。実はご飯をそんなに炊いてないので、数に限りがあって、おそらく一升くらいなので、10人前とか?どんぶりも親子丼や生姜焼き丼、天丼などもあります。どれもそばつゆを使ってるので、ここでしか食べられない味ですね。実は私は卵アレルギーで。触れるけど口にできないので、俺が食えないのに!という気持ちがあります(笑)。
家庭で再現するとしたら、家にある一番大きな鍋に、できるだけたっぷりと油を入れてあげるのがいいのかなと思います。サラダ油だとサッパリした味のカツになるので、個人的には、ラードの方が甘さが出るので、好きですね。
蕎麦通に限らず、名実ともに地元ではよく知られる名店。
意外にも創業当時は定食屋だったという。
繁盛店だからこそ、
人知れず、多くの悩みをかかえ、
ドラマチックにその悩みを飛び越えてきたと言われるが、
昼も夜も満席の厨房では
ごく私的でどうにもできない悩みに頭を悩ませつつ
お店の歩みは日々進んでいく。


