創業当時はね「武蔵野テレビセンター」。テレビとかラジオとかっていう家電で名前がついている店は古いんですよ。先代が始めたのが昭和32年。そのあと近くで始めて。電気屋さんも変わらないといけないっていうことでね。
COMっていうのは、内装工事するときにデザイナーの人なんかもいろいろ考えて、「コミニュケーション」とか「コミュニティ」の頭を取ったんだよね。電気屋さんは地域密着なんでそういう意味で。イスズっていうのは先代の名字。 今は家族経営みたいなもんだよね。この建物、都営住宅が建ってから入ったらしいんですよ、私はまだいませんでしたから笑。 当時はテレビとかラジオとか洗濯機とか冷蔵庫とか、数が少なかった。白物家電の全盛期で、だんだん家電が良くなってどこの家も買えるような時代になって。 
こういうお店はだんだん減って来てますね。後継ぎがいない。周りでも辞めていっちゃってる。量販店さんとかネットもあるんで、だんだん少なくなってきて。わりかし電気屋さんのこういう個人店が抱えているのはご年配の方のお客さんが多いんですよ。そういう方は量販店に行ってもちんぷんかんぷん、わけがわからない。あまりにもものが多すぎて。個人店は小回りが効くっていうことですよね。電気一個でも替えてくれるから。そういうことなんじゃないですかね。

買い替えのときでもお客さんにあんまり商品のことを細かく言わないですね。おたくですすめてくれるんなら、って安心してくださる方が多い。変だったらすぐに来てもらえる、そういう安心感だと思うんだよね。年配の方っていうのは1 回でものを覚えないです笑。アフターフォロー、面倒見てもらえるからって。テレビつかないからって量販店行ったって、サービスの者を呼びますからお待ちください、ってなる。我々だったらすぐ来てくれる、って。継続で来るようなそういうお客さんとのお付き合いがあってモノが売れるみたいなもんだよね。新規でこれくださいなんて来る人はまず滅多にないです。だから商売範囲は狭いですよ。遠くまで行って商売してたら割りに合わない笑。 
モノを持ったりするのは誰でもできますが、ぴゅっと来たからってつとまる仕事でもない、技術的なことはポッとはできないです。いろんな知識や対応力はそれはもう経験でしかないし。地域とのつながりと。でも製品自体も変わって来てて今はほとんど修理がなくなってきちゃってますね。ちょっとしたことならできるけど、メーカーさんも部品が年数がたつとなくなってきてるから。
おかげさまで何十年も通ってる人もいますよ、古い付き合いの。おじいちゃんからお父さんの子供とか何代もの人もいます。 今は親と別に住んでる人も多いじゃないですか。だから年寄りの面倒を我々が見てるみたいなところもある笑。息子さんいるんじゃないの?みたいな笑。よく、辞めないでください、って頼まれることもあるけどね笑。そういう地域とのつながりみたいなものでお店が続いてるのかもしれませんね。でもそうのんびりもしてられないので。買ってから半年ぐらい故障なしで何もしないで暮らせるぐらいならいいんだけど。逆に取り扱えないものはない。カタログもこんなに厚いんだもん。パーツも入れていくと、商品の数なんて数えたくない笑。