【いま行っとかないとつぶれそうなお店】#06 コーヒーレストラン プリモ

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食べログ高評価、インスタ映え、芸能人オススメ、行列の出来る店…
皆さん正直飽き飽きしてません?
混んでるところにわざわざ行って、人と同じようなものを食べて、そんな人生何が楽しいの?
同調圧力に胸焼けしたあなたに向けて、〝ちょっとだけ〟スパイスの効いたお店をご紹介。

三鷹駅から中道新道を北に7分ほど歩くと、鮮やかなグリーンの看板と植栽が見えてくる。年季の入ったサンプルが並ぶショーウィンドウには「コーヒー&レストラン プリモ」の文字。イタリア語で「初めに出てくる一皿」を意味する「プリモピアット」が由来の、昭和の名残豊かなカフェレストランだ。

1985年、バブルの沸き立ちと共にマスターの上野さんが始めたプリモは、今年で38年。豪華客船の客室を思わせる優雅な店内は、実際の船舶で使われていた装飾や端材を台湾で買いつけ、マスター自ら一から組み上げたというから驚きだ。
チェーン店での勤務に嫌気が差し、自分で店を開いたマスター。開店当時は駅から離れた立地のせいか客足も少なく、恥ずかしさにカウンターの下に隠れたこともあったそう。それでも時代の波を乗り越えられたのは、部活後の大学生たちのあり余る食欲や、好景気のバカみたいな盛況ぶり、そしていつもお客さんたちが食べに来てくれたから。
「あんまりこだわりないよ」なんて笑うけれど、その想いは強い。
「チェーン店は何回行っても常連になれないから。『また来ます』『お待ちしております』ってところを大切に。」

看板メニューのオムライスは、卵を3個も使ったボリューム満点の一品。元々まかないだった「カツピカタ」は、トンカツを卵で炒めたプリモオリジナルの名物だ。
つい「三つ星」や「今流行りの」なんて言葉に惹かれがちだけど、マスターが「日常生活でオーソドックスに食べるものが一番。」と言う通り、本当に幸せなのは、普段の食事が美味しいことかも。その思いが示すように日替わりランチはいつも曜日固定。食べたいものが食べられるよう、常連さんへの優しさだ。海を愛する男らしく「この店は一代限り」と決めてるのは寂しいけれど、今はまだ、いつもの味で僕たちを出迎えてくれる。
せっかくならプリモで「常連デビュー」してみませんか?

コーヒーレストラン プリモ
Tel : 0422-22-4464
〒180-0006
武蔵野市吉祥寺中町1-34-8
営業時間 : 11:00-20:00
定休日 : 月